2014年7月 藝術・音楽部会 開催されました
2014年7月6日に日本大学芸術学部江古田校舎にて芸術・音楽療法部会が開催されました。
今回はスウェーデンの特別支援学校の7割が取り入れているという“FMT(脳機能回復促進音楽療法)”について、スウェーデンからFMTセラピストのマルガレータ氏、カリーナ氏をお迎えしての講義と、ワークショップがメインで行われました。

午前中はFMTとは何かということについて、セッションのVTR、ワークショップを交えながらお話頂きました。
豊富な事例のVTRや、楽器を使ったデモンストレーションを行いながらの講義は、音楽療法士のみならず、多職種の先生方にも大変分かりやすいものでした。

FMTはこれまで日本で行われてきた音楽療法の形とは大きく異なる点がいくつかあります。
まず、音楽の使い方。ピアノと打楽器のみのシンプルな環境、というものは様々な手法の中に取り入れられていますが、FMTのセッションでは、FMT理論に添った20種類ほどの既成の曲をシンプルに組み合わせて使っていくとのことでした。
いくつかの限定された音楽の組み合わせで、様々な対象者への成果が見られているということは、これまでの音楽療法における音楽の使い方についても考えさせられるものでした。
また、セラピストからの発信は音楽以外では一切行わないという考え方も、これまでにはあまりないものです。
FMTではあえてセラピストからの発信、指示は行わず、音楽を通して自らがセラピストや求められている事に気づくプロセスを大切にしているとのことでした。
セッション中は、一切言葉を用いなかったとしても、その時間以外では言葉でのコミュニケーションを行うことは多々あり、FMTを受けることで発話が促進されるケースも多くあるとのことでした。
FMTの主体は言葉通り、「脳機能回復促進」であると思います。
そこに音楽を用いる為、当然、芸術性や表現といった要素も入りますが、FMTではそこに重点を置かず、あくまで脳機能回復を目的とした音楽の提示の仕方をするという点で、曖昧になりがちな音楽そのものを、可視化し易くするものであるとも言えるかも知れません。
午後には、今回この会を企画して下さった土野研治先生より、FMTについての補足や一歩踏み込んだ質問も出され、フロア全体でさらに活発な議論が行われました。

また、のぞみ牧場学園からは、音楽療法の実践紹介と多職種連携についての発表もあり、マルガレータ先生からは、FMTも他の音楽療法、そして多職種と連携することが重要であるとのお話も頂くことができました。

また、会の終わりには恒例のワイワイガヤガヤ会を実施する予定でしたが、フロアからの質問が多く出たこと、こどもの領域の参加者が多かったことから予定を変更し、特別にこどもの事例のVTRを見せて頂くこともでき、最後まで質疑応答・議論がたっぷり行われました。
一日を通して深くFMTについて掘り下げることができた密度の濃い時間になったと思います。

改めて、惜しみなく事例を出し、納得いくまでお話を下さったマルガレータ氏、カリーナ氏、通訳の加勢園子氏に心より感謝申し上げます。 (のぞみ牧場学園 音楽療法士 藤原舞子)
今回はスウェーデンの特別支援学校の7割が取り入れているという“FMT(脳機能回復促進音楽療法)”について、スウェーデンからFMTセラピストのマルガレータ氏、カリーナ氏をお迎えしての講義と、ワークショップがメインで行われました。




午前中はFMTとは何かということについて、セッションのVTR、ワークショップを交えながらお話頂きました。
豊富な事例のVTRや、楽器を使ったデモンストレーションを行いながらの講義は、音楽療法士のみならず、多職種の先生方にも大変分かりやすいものでした。

FMTはこれまで日本で行われてきた音楽療法の形とは大きく異なる点がいくつかあります。
まず、音楽の使い方。ピアノと打楽器のみのシンプルな環境、というものは様々な手法の中に取り入れられていますが、FMTのセッションでは、FMT理論に添った20種類ほどの既成の曲をシンプルに組み合わせて使っていくとのことでした。
いくつかの限定された音楽の組み合わせで、様々な対象者への成果が見られているということは、これまでの音楽療法における音楽の使い方についても考えさせられるものでした。
また、セラピストからの発信は音楽以外では一切行わないという考え方も、これまでにはあまりないものです。
FMTではあえてセラピストからの発信、指示は行わず、音楽を通して自らがセラピストや求められている事に気づくプロセスを大切にしているとのことでした。
セッション中は、一切言葉を用いなかったとしても、その時間以外では言葉でのコミュニケーションを行うことは多々あり、FMTを受けることで発話が促進されるケースも多くあるとのことでした。
FMTの主体は言葉通り、「脳機能回復促進」であると思います。
そこに音楽を用いる為、当然、芸術性や表現といった要素も入りますが、FMTではそこに重点を置かず、あくまで脳機能回復を目的とした音楽の提示の仕方をするという点で、曖昧になりがちな音楽そのものを、可視化し易くするものであるとも言えるかも知れません。
午後には、今回この会を企画して下さった土野研治先生より、FMTについての補足や一歩踏み込んだ質問も出され、フロア全体でさらに活発な議論が行われました。

また、のぞみ牧場学園からは、音楽療法の実践紹介と多職種連携についての発表もあり、マルガレータ先生からは、FMTも他の音楽療法、そして多職種と連携することが重要であるとのお話も頂くことができました。



また、会の終わりには恒例のワイワイガヤガヤ会を実施する予定でしたが、フロアからの質問が多く出たこと、こどもの領域の参加者が多かったことから予定を変更し、特別にこどもの事例のVTRを見せて頂くこともでき、最後まで質疑応答・議論がたっぷり行われました。
一日を通して深くFMTについて掘り下げることができた密度の濃い時間になったと思います。

改めて、惜しみなく事例を出し、納得いくまでお話を下さったマルガレータ氏、カリーナ氏、通訳の加勢園子氏に心より感謝申し上げます。 (のぞみ牧場学園 音楽療法士 藤原舞子)
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