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2012年3月 藝術・音楽部会 開催されました

前半は日本大学藝術学部の土野研治教授より、「地域における音楽療法の意義」というテーマで、土野教授の大学での音楽療法コースの設立から現在に至るまでの経緯を含め、お話を頂きました。
土野研治氏1

土野教授はこれまでも、他大学で音楽療法コースの設置をされるなど、音楽療法の教育現場を大きく切り拓いてきた方です。現在、日本大学藝術学部では新校舎にセッションルームがあり、地域と連携しながら継続的な臨床をされていらっしゃいます。

今回は、どのようにして現在の環境を作りあげていらしたかを、一つ一つ整理してお話をして下さいました。その中からいくつかエッセンスをご紹介させていただきます。

まずは、大学の理解と協力を得る上で、音楽療法が、医療行為を行うものではなく、音楽療法が「療育・教育活動の発達支援である」という立場を明確に示されたとのことでした。療法という言葉自体が、たくさんの意味を持つために、理解されがたい側面もあると思いますが、その中で、このようにどの立場でいくかという方向性を明確に示すことの大切さを改めて感じさせられました。

また、大学が、「地域に開かれた大学」であり、「地域の療育・教育資源の一つである」ことに共通性を見いだされ、音楽療法を学ぶ上で非常に大切な実習の場を、地域に根ざした音楽療法の場としても活用されています。
音楽療法を学ぶだけではなくて地域に還元できる資源であること。それによって、大学と地域がつながり、結果的にはそこに通っていらっしゃるクライアントの世界も広げていくことができます。これらのことは、音楽療法や大学の教育場面の開拓にとどまらず、すべての新しい分野の「場を切り開く」場面で共通する大切なことではないかと思いました。

音楽を地域とつながる一つの素材として捉え、大学で地域と連携した音楽療法の場を開拓されている土野教授の実践は、音楽のみならず、あらゆるセラピーの将来にもつながるものだと思います。

 後半はいけばなを用いた取り組みについて、各先生方からお話がありました。
フラワーサイコロジー研究所・伊藤幸香氏からは、アートセラピーといけばなのかかわりについてお話がありました。
伊藤幸香氏2

アートセラピーで通常用いる画材・素材別の効果に加え、花や草・木などの植物や石などの自然物を取り入れることの効果やそれぞれの違いについて考察されていました。なかでも印象的だったのは作り手からの感想として、花を用いる場合には、通常のアートセラピーの画材を用いるよりも表現がしやすい場合がある、初めから美しいものを利用するため表現が助けられる、という点でした。確かに絵や工作などは素材から何かを自分で作り上げる必要を感じてやや負担が大きくなりますし、苦手意識や恥ずかしさを感じて満足に取り組めない人もいるでしょうが(私自身がそうです)、花はそのまま作品になり得る素材なので、「手を加える」程度の気軽な感覚で用いることができ、また逆に斬新な作品作りも可能だと思います。またセラピストから見ると、作品に対して作り手が愛でる気持ちの度合いが違う、作り手のセルフセラピーが発生しやすい、セルフセラピーで生じる危険という点で花のほうが肯定的な考えや感覚に変換されやすい、とのことでした。もちろん通常のアートセラピーのそのような過程が治療として効果的なクライエントもたくさんいらっしゃることでしょう。クライエントの状態に合う素材をセラピストがうまく見極め用いていくことも必要と感じました。またより気軽なアクティビティとして行う際にも持ちたい視点でした。

デザインスクールセナの大場六夫氏からは、デザインを本格的に学ぶ際に、使用する教材の一つに植物を用いた実践の紹介がありました。
大場六夫氏2

植物は手を加えると後戻りできない素材である、自然物ならではの形・色の特徴がある、初めから美しいものにさらに手を加えることになる、素材からの自己主張があるため主導権を素材が握っていると製作者が感じることがある、などの点から、人工物とは違う感性を養える可能性があるとのお話がとても興味深く感じました。

小学校教諭の廣田光子氏は、通常の小学校での取り組みについて発表されました。
廣田光子氏1

日常的に周囲の草花を教室に飾ったりするうちに、子どもたちが草花に興味を持ち、飾ったり何かを作ったり、折り紙で花を折ったりする中で、情緒や精神性・感性が成長していく様子がお話の中から感じられました。しかし何よりも廣田氏のとても穏やかで優しいお人柄が子どもたちにも良い影響を与えたようにも思いました。お持ちになった、たくさんの花や工作の写真がとても美しくうっとりさせられたのですが、それはきっと子どもたちも同じではないかと想像しました。
廣田氏の写真1 廣田氏の写真2 廣田氏の写真3 
最後にフラワーサイコロジー研究所所長の浜崎英子氏より、いけばなの役割と可能性についてお話がありました。
浜崎氏 いけばな
芸術としてのいけばなは、仏様に供えることから始まり、仏様をたてる、そして花をたてる・活かすものとして行われてきており、全ての花には存在価値があり個性を尊重していける(いかす)、という点で、カウンセラーのクライエントに対する態度条件と一致する。またいけばなの取り組みの中にいくつもの葛藤や自己表現の機会がある、自分の心を表現しやすい活動である、作品を通して感情を共有しやすい、などの効果が考えられる、とのことでした。

研究会に参加するたび、総合的セラピーとは何かを考えさせられますが、今回は総合的セラピーの未来形をみたような…そんな一日でした。
終了後・・・

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